帝国神霊学研究会の星天学と神霊術講義録は昭和7年のスピリチュアル・ムック本

星天学「神霊術講義録」という霊術ムック本

明治から昭和の戦前にかけて、
日本では、各種の霊術が
ものすごく盛んだったんですね。

今でいうところの「スピリチュアル」が大ブーム。
戦後の昭和の言葉でいえば「オカルト」大ブーム。

こうした霊術・オカルト・スピリチュアルは、アストラル界の産物になるのですが、
周期的にブームになっているんですね。

で、昭和7年に「神霊術講義録」
というのが出ます。
星天学(せいてんがく)という人が書いた本です。

「神霊術講義録」とは帝国神霊学研究会を主催していた星天学が、明治から昭和にかけて登場したなどのスピリチュアル各種を、ダイジェストでまとめた冊子なんですね。

ま、今でいう「ムック本」ですね^^;
総解説書。

神霊術講義録は全五巻

で、ムック本でもある神霊術講義録は
「全5巻」からなります。
それは、

1.精神統一及気合術
2.最新催眠術
3.全国霊界秘術大観
4.新式霊動法
5.神霊治療秘伝

という5巻ですね。

ちなみに今でもこの手の総解説本はあります。
山川鉱矢さんがまとめたものもあります。

あと、成功哲学本でも、まとめ本がありますね^^;

こんな具合で、昭和の初期にも、当時のオカルトな類を全て集めて紹介したのが「神霊術講義録」なわけです。

星天学と帝國神靈學研究會(帝国神霊学研究会)

で、「神霊術講義録」の著者である「星天学」は、
帝国神霊学研究会(帝國神靈學研究會)を主催していました。

星天学は東京の人かと思いきや、そうではなく、なんと岐阜県人であると。
岐阜県加茂郡八百津町に、この「帝国神霊学研究会」があったようです。

「帝国神霊学研究会」は、1929年ごろに設立されています。
星天学は8才の頃から神仙道の修行をはじめ、
20代後半には霊術の達人になったといいます。

で、その体得した霊術を世に広めるために、
「帝国神霊学研究会」を創設したといいます

星天学は57才で亡くなりますが、
その年の1950年ころまで
存命ていたようです。
【参考サイト】昭和初期に存在した“超能力者”養成学校

星天学の出身の岐阜県は霊術家が多い

岐阜県はマイナーな県に思われがちなのですが、
意外と霊術の大物を生み出しています。

たとえばヒーリングでは超有名なレイキ。
これを発案した「臼井甕男(うすい-みかお)」。
岐阜県出身です。

また、これまたヒーリングの外気功の原型であり、
中国にも、この外気功を逆に伝えた
大霊道の「田中守平」
岐阜県出身です。

で、昭和の初期に、当時、日本にあふれていた
各種のオカルトを実際に体験し、
それを小冊子にしたのが
星天学の「神霊術講義録」なわけですね。

神霊術講義録の中身

ちなみに「神霊術講義録」の第三巻は、
ネットでも見ることができます。
デジタル国会図書館にありますね。

神霊術講義録. 第3巻 (全国霊界秘術大観) – 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1107174?tocOpened=1

ざざっと項目を拾ってみると、

第1篇 各種呼吸法及統1法
第1章 概論
第2章 各種靈術
1.藤田式呼吸法
2.岡田式靜座法
3.横井式精神統一法
4.二木式呼吸法
5.森田式調整術
6.檜山式能力發現法
7.法運術
8.心力波及術
9.鎭魂歸神法
10.白隱禪師の禪法
11.神仙術

第2篇 各種靈術及其の療法
第1章 概論
第2章 各種靈術
1.國民自健術
2.江間式心身鍛錬法
3.太靈道靈子術
4.清水式療法
5.晃道教會精神療法
6.渡邊式治療法
7.動律回元術
8.自動療法
9.松本式人体ラヂウム療法
10.木村式生氣療法
11.林式健体術
12.交靈感應氣合術
13.身心改造靈動氣合術
14.溝田式靈波療法
15.高野式抵抗療法
16.桑田式靈術
17.洗心流靈術
18.基督教的科學療法
19.セオソフイオツカルチズム療法
20.プラナ療法

第3篇 諸流催眠術
第1章 概論
第2章 各種催眠術
1.メスメル派催眠術
2.ブレードの催眠法
3.フアリヤの催眠術
4.フロワー催眠法
5.ナンシー催眠法
6.ヘルンハイムの催眠法
7.小野式催眠術
8.勝永式催眠術
9.神秘流催眠術
10.清水式催眠術
11.横井式催眠術
12.相馬式催眠術
13.古屋式催眠術
14.村上式注意術

外篇 面白い實驗法
1.9字を切る秘法
2.居合斬り
3.合掌棒拔きの法
4.コツクリ術
5.稻荷降しの神法
6.二指を以て大男を上る法
7.破ガラスの上に裸体でねる法
8.金魚に氣合を掛ける法
9.平手にて石を割る法
10.全身繩拔の法

神霊術講義録は簡単な紹介文

神霊術講義録は、見出しだけを見ていても、
おもしろそうですね。

でも、実際は、ささっと書いているだけですね。
あんまり深く言及していません。

ちょっとした紹介文や、
ちょっとやってみた程度の書き方です^^;
ほとんど参考にならないんですね^^;

ただ、当時、どういうのが
流行っていたのかがわかります。
当時の雰囲気がわかるわけですね。
で、おもしろいですね。

霊術と称しながら呼吸法があったり、
霊術としながらも心身鍛練術だったり、
催眠術も含まれています^^;

あと、コックリさんとかもありますね^^;

また、居合い術とか、大道芸も含まれていて、
なんだかごった煮状態ですね^^;
今でいうところの「ムー」
みたいなものかもしれません^^;

ただ「プラナ療法」というのもあって、
当時、既にインドのプラーナの概念が
あったことがわかります。
 

日本にヨーガを最初に取り入れたのは
三浦関造氏かもしれませんね。
三浦関造氏は「総合ヨガ」と銘打っていましたが、
三浦氏がヨガを打ち出したのは戦後でしたからね。

ということは、すでに昭和の初期の段階で、
誰かがインドからヨガを導入していた
ってことになりますね。

神霊術講義録。
軽いノリで書かれた感じもしますが、
当時のスピリチュアル界隈のことがわかる
貴重な情報誌でもありますね。

それにしても、今も昔も、
そう変わりがありませんね^^;

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です