世界恐慌の原因と経緯を超簡単に説明~コロナ恐慌との違い

世界恐慌(1929年)が起きた原因

新型コロナウイルスの影響を受けて
「コロナ恐慌」が起きるでのはないかとも言われています。

しかし恐慌といえば世界恐慌
世界大恐慌ともいいます。

世界恐慌はアメリカから発しています。
1929年から始まり、1930年代の後半まで続いた長い大不況です。

恐慌とは超デフレーションのことをいいます。
極端に物価が下がり、お金の価値が非常に上がってしまう現象です。

世界恐慌が起きた原因は、
1920年代のアメリカ経済にあります。
それは、

1.アメリカ経済は空前の繁栄
2.輸出大国になったものの輸出過剰となり供給過剰となった
3.株式の信用取引が広まり株式に興じる人が多くなった
4.株式バブルが起きた(1923年から6年間続く)

これらが絡み合って、株式バブルは破裂したことにより、
アメリカは大恐慌に。
これが世界中に伝播して世界恐慌になったといわれています。
くわしいことは、以下、ご説明します。

世界恐慌が起きる前のアメリカは繁栄を謳歌していた

そもそも1919年
第一次世界大戦の終結の年。
アメリカは世界の覇権国家となりました。

アメリカの1920年代は黄金の時代。
アメリカが急成長した時代です。

フォードの大量生産方式が台頭。
自動車が普及。

またラジオが発明され普及。
ラジオの普及から映画の登場。
ブロードウェイといった歌劇も盛んに。

また建築土木の分野でも著しい成長。
高層ビルの建設ラッシュ。
摩天楼が形成。

1920年代のアメリカは、まさに覇権国家にふさわしい
繁栄を謳歌しまくっていました。

世界恐慌が起きた2つの主な原因

世界恐慌は煎じ詰めると2つの原因で起きたとされています。
それは
1.アメリカの輸出が減少し供給過剰になったこと
2.株式バブルが起きたこと(信用取引による株式投資)
この2つが引き金になって世界恐慌を生み出したとされています。

アメリカの輸出が減少し供給過剰になった

1914年~1918年にかけて起こった第一次世界大戦
第一次世界大戦により、ヨーロッパ各国は工場が破壊。
生産能力が不足に。

そこでヨーロッパ各国では輸入を増やします。
これによってアメリカは輸出大国になります。

1920年代は、アメリカが世界のサプライチェーンとなっています。
物資の供給源ですね。
そのお陰で、アメリカの輸出は伸びます。

ところが1920年後半。
世界各国も立ち直りを見せ始めます。

ヨーロッパ自国でも工場を建てて、
自国での供給を行います。

ヨーロッパの再興により、アメリカの輸出は減少。
やがてアメリカは供給過剰になります。
つまりインフレの傾向が出てきます。

後にアメリカでは株式バブルが崩壊しますが、
供給過剰に陥っていたことが、需要の促進を遅らせ、
景気の回復を鈍らせて、世界恐慌までに発展したといわれています。

アメリカで株式バブルが起きた

また当時のアメリカで株式バブルが発生したことも
世界恐慌の直接の引き金になったといわれています。

リバティボンドの普及により株式投資が普及

1917年のアメリカ。
第一次世界大戦の戦費を調達するためにリバティボンドが創設。
これはアメリカの戦時国債。
第一次世界大戦の戦費を調達するために発行された国債です。

リバティボンドはアメリカの愛国心に火を付けて、
大人気となります。

このリバティボンドの普及により、
今度は投資そのものがアメリカの一般国民に普及します。
で、アメリカでは株式投資が一般化します。

信用取引も普及

株式投資が普及するにつれて、信用取引も普及します。
信用取引とは、頭金を入れれば全額の株を買える制度です。

たとえば50ドルの買い入れ金を入れれば、500ドルの株を購入できます。
銀行が450ドルを貸してくれます。

なぜこれが可能なのかとえいば、株式市場は上げ調子なので、
購入した株価は、すぐに値上がりするからです。

株価上昇を見越しているので、銀行はたくさん貸すようになります。
信用取引が可能になる。

信用取引はサブプライムローンと同じ

ちなみにリーマンショックのサブプライムローンもこれと同じです。
⇒リーマンショックを超簡単3分で説明

支払い能力の無い低所得者層を相手に、高額ローンを組ませます。
支払いがでいなくなっても、住宅価格が上がっています。
なので購入時より高い値段で住宅を売却できます。

で、その売却益で儲けることができます。
だからサブプライムローンが可能だったわけですね。

支払い不能になっても、ローン会社は儲けることができます。
これと同じなのが当時の株式の信用取引です。

信用取引は90%以上だった

しかし驚くことに、当時の株式取引では、
なんと90%以上が信用取引でした。

信用取引なので、お金がないのに大量の株を購入できます。
借金して株の取引ができる。
で、お金のない一般人も株式投資を行った。

株価は急上昇。
1923年から6年間、上昇。
5倍に上昇。
まさに株式バブルです。

信用取引への懸念

しかし金融関係者から信用取引への懸念が出てきます。
そもそも信用取引に規制がありません。
90%以上が信用取引です。

実体経済とは関係なく、株価だけが上昇しています。
ゲームになっています。
次第に、株式バブル破綻の懸念が出てきます。

信用取引規制は成立しなかった

けれども信用取引への規制は行われませんでした。
その理由は、ウォール街の覇者であり経済の覇者である
JPモルガンが政治に影響を及ぼしたからです。

JPモルガンは信用取引規制の阻止に成功します。
JPモルガンは政治にも影響力があったからです。

当時は格差社会がすさまじい時代でもありました。
上層国民(富裕層)は政府とも癒着し
上層国民の思うような体制を整えることもできたくらい。
これは現在の日本の政治経済界にも似ています。

当時は、自由経済の推進派である
共和党政権が長期化したことも、
信用取引規制が成立しなかった理由です。

1929年10月24日暗黒の木曜日・世界恐慌勃発

熱狂する信用取引。
規制もかからず野放し状態。
株式バブル崩壊の懸念。
アメリカの供給過剰によるモノ余り状態。
複数の懸念が重なる中、ついに爆弾が爆発します。

株式市場は1929年9月から乱高下を繰り返します。
やがて投資家が危機感を憶えます。

10/23・水曜日。
株価は急落。

10/24。
暗黒の木曜日。
株式は売り一色。
大暴落
ついにバブルがはじける日がやってきます。
この日だけで1289万株が売却。

株価暴落を下支えしても暴落が続く

株式が暴落する中、株価の下落を止めるために、
ロックフェラーのシティバンク、Jpモルガンら
経済界の大物が集まって、株価の買い支えを行います。

彼らは何十億というお金を投入して株を買い支えます。
で、株価は上昇。

ところが、この買い支えの情報が
国民には伝わりませんでした。

今のように情報が伝達する時代でなかったため、
国民の頭の中は暴落一色。
また暴落情報しか国民は知りませんでした。

せっかく株価は上昇に転じたものの、
国民全員はますます売りに走ります。

そのため暴落が再び始まり、
下落は止まることなく、
ついには行くところまで下落していきます。

アメリカが大恐慌に陥る

アメリカの株式バブルの暴落をきっかけに
アメリカ経済の破綻が起きます。

そもそも株式を信用取引していたため、
国民は返済するお金がありません。
90%以上が信用取引です。
個人破産者の増大です。

で、銀行側にはお金が返ってきません。
そのため1300以上の銀行が閉鎖。

また銀行にお金を預けている人達がパニック。
取り付け騒ぎが起きて、銀行からお金を引き出しまくります。
で、銀行にある手元のお金は無くなります。

すると銀行は企業への融資ができなくなります。
大企業への融資もストップ。

で、大企業が倒産。
中小企業も倒産。

失業者が大量に発生
1283万人もの失業者。
失業者は国民の25%。
またホームレスが大量発生。

アメリカ発の恐慌が世界に広まる

アメリカ発の経済破綻は世界に伝播します。
1929年~1932年の間に、世界は、
・GDP・・・マイナス15%
・失業者・・・5000万人以上
となります。

ちなみにリーマンショックでは、世界は、
・GDP・・・マイナス1%弱
・失業者・・・1500万人

世界恐慌の被害スケールは、
史上最大規模です。

世界恐慌からの回復に10年かかった

その後、ルーズベルト大統領が登場し、
1930年代にニューディール政策を実施。
ここから恐慌からの回復が始まり、
1941年の第二次世界大戦になってようやく景気は回復します。

世界恐慌は1929年から始まって、
1940年代になって終わります。
10年かかって回復しています。

これが恐慌の怖いところです。
経済の回復に時間がかかります。
経済が大ダメージを受けてしまいます。

世界恐慌以後の世界は変わる

世界恐慌以降、世界は、
・ブロック経済圏化(グローバリズムの終焉)
・社会主義の台頭(資本主義の見直し)
・ファシズムの台頭(強権政治、全体主義の広まり)
となっていきます。

こうした兆候は、現在のコロナ恐慌にも酷似しています。
・グローバリズムからブロック経済圏化
・資本主義への疑問
・強権政治、全体主義への懸念
まったく同じです。

1929年の世界恐慌が人類史上最大の経済危機でした。
ちなみに、

1986年/円高不況
1991年/バブル崩壊
2001年/ITバブル崩壊
2008年/リーマンショック

というのがありました。
しかしこれらは地域が限定していたり、
被害は大きくはなっていません。

コロナ恐慌はどうなる?

しかしコロナショックに端を発するコロナ恐慌
IMFは、世界全体GDマイナス3%と予測しています。
ゴールドマンサックスは、日本はマイナス25%と予測。

アメリカでは新型コロナウイルスにより
失業者2050万人(4月の失業率14.7%)。
失業者は、リーマンショック時は1500万人です。
世界恐慌に迫る勢いです。

ちなみにアメリカ4-6月GDPはー50%の予想です。
失業率30%の可能性もあるといいます。

コロナショックによる経済危機は
100年に一回の出来事とも言われています。

恐慌になると、全体主義、強権政治も台頭しやすくなります。
21世紀のヒットラーが台頭する恐れもあります。
1929年の世界恐慌は復興までに時間がかかっています。

日本はコロナ恐慌を回避できる

けれども日本、アメリカ、イギリス、中国、カナダ、オーストラリア、スイスは
経済ダメージを少なくすることができます。

政府の財政出動により恐慌を回避することができます。
⇒日本はコロナ危機を克服できて格差社会を消滅できる【三橋貴明】

そもそも日本のように
・自国通貨建て国債発行(主権通貨国)
・変動為替制
・供給能力がある
を満たしている国は、政府が財政出動(新規国債)を発行することによって、
需要と供給のバランスを取り戻し、恐慌という超デフレを避けて、
経済へのダメージを減らすことができます。

現在、日本にとって必要なのは新国債の発行
100兆円規模の発行
これによって企業と個人を救済することができます。

MMT(現代貨幣理論)に基づけば、
こうしたことは可能であることもわかります。

財務省をはじめ、財務省になびいている政治家、学者、マスコミは
間違った財政政策を述べています。

こうした言論に与することなく、コロナ恐慌を回避するように
国民が声を上げることが大事な時期ですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です