お稲荷さんと霊能者~オダイに生き抜いた霊能者の物語

話題の「お稲荷さんと霊能者 伏見稲荷の謎を解く」を読む

◎お稲荷さんと霊能者 伏見稲荷の謎を解く
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ちょっと話題になっていた霊能関係の本ですね。
読みました。
読みやすい本ですので、半日くらいで読めます。

伏見稲荷の三丹支部を一代で起ち上げ、ここの支部長でもあった
「オダイ」の「砂澤たまゑ」さんのエピソードをつづったものです。

「オダイ」とは、稲荷信仰の世界で使われている言葉のようですね。
「お代」「お台」ではないかとも言われているそうです。
神さまの「お取り次ぎ」のことですね。

青森の「イタコ」。
沖縄の「ユタ」。

これらと同じです。
神さまとの間で仲介する通訳のような方ですね。
それが稲荷信仰では「オダイ」と言っているのでしょう。

霊能者・砂澤たまゑさん

で、砂澤たまゑさん。
生まれながらにして霊能力を持った少女だったようです。

で、17才?の時に、お稲荷さんのお祭りのときに、
初めてお稲荷さんと縁ができたといいます。
ここからお稲荷さんとともに歩む人生が本格的に始まったとか。

しかし、砂澤たまゑさんは、「オダイ」として生きる
信仰一本の道に生きることは拒み続けたそうです。

信仰以外に生きようとして、いろいろなことをしたそうです。
が、すべて行き詰まってしまったとか。

で、もうダメだと思い、鉄道飛び込み自殺をしたといいます。
鉄橋から飛び降りて、眼下を走る列車に向かって身を投げたといいます。
本当に鉄橋から飛び降りた。

ところが、何故か列車に当たらず、
気がつけば線路の脇で合掌して座っていたとか。

神さまが助けてくださったといいます。

砂澤たまゑさんは、もはや自分はオダイとして生きるしかないんだ
と悟って、ここから本格的な信仰生活に突入していたといいます。
 

中村雅彦さんの書にもありましたが、拝み屋もそうですが、
霊的なことを生業にする人は、何かに導かれるが如く、
その世界に引き込まれてくるといいます。

砂澤たまゑさんも、まさにそういうタイプ。

霊能に磨きをかけるために100日の断食修行

で、砂澤たまゑさんは、生来の霊能力に磨きをかけるために、
荒行をやりまくったといいます。

たとえば100日間の断食行。
神さまが守護してくださったといいます。

ちなみに、長期間の断食では、神秘的な能力が備わることがあります。
たとえば、森美智代さん。
難病克服のために始めた断食を継続していく中で、難病は治り、
同時に、不思議な能力が出てきたといいます。
そのことはこちらに。

太陽を凝視して不食になる方法~断食・不食は人体のメカニズムを変えてしまう?

断食は、神秘的な能力を開き、拡大する効果があるため、
昔から行われている修行の一つですね。

ちなみに断食といえば、江戸幕末にあの世へ行って見てきたという
嶋田幸安の話しにも出てきます。
「あの世」では、業を消すために100日間の断食行を行っているといいます。
で、この断食行が終わると、心身が爽快となって、不思議な能力が身につくといいます。

森美智代さんや嶋田幸安の話しを鑑みると、
断食とは、そういう不思議な作用もあるのかもしれませんね。

砂澤たまゑさんも100日間の断食行をしたのも、
こうしたことと関係があるかもしれません。

で、砂澤たまゑさんは、自らの霊能力を磨く荒行をやったお陰で、霊能力は高まり、
神さまからの言葉を、正確かつ精密に取り次ぐことができるようになったといいます。
その精度の高さはズバ抜けていたといいます。

的中率がすごかったアドバイス

神さまからのアドバイスは、人事百般に及び、それは多方面に及びます。
たとえば、

・大学受験では、どこの大学へ進み、試験では「ここ」を勉強しないさいと具体的。
・病気の場合は、おすすめの病院やドクターの指示、適切な治療法までアドバイス。
・仕事の適性のアドバイスだけでなく、仕事が入って来る具体的な指示。
・井戸の水脈当て。
・新婚夫婦が乗ろうとした飛行機が墜落することを予知し未然に防ぐ。
・行方不明になった人を霊視して、◎◎を歩いていると発見。
・警察の捜索願いの手助け。
・除霊。
・赤ちゃんの命名

ありとあらゆる相談に応じ、百発百中の精度で、
しかも、こと細かにアドバイスをしていたといいます。
これらは全て「お稲荷さんが教えてくれる」と。
 

で、「神さまがすべて教えてくれるので本を読まなくていい」と^^;
ちょっと極端に聞こえますが、お取り次ぎとしての「オダイ」と信仰に徹底した
生き様の表れでもあるのでしょう。
凄みを感じさせます。

しかし「本を読まなくてもいい」は、確かに、
これには一理あるなあ、と思わるのがあります。

というのも、大学院でのコンピュータの調子が悪くなったので
「なんとかならないか」という相談があったようなのです。
で、これに対して、コンピュターの操作の仕方まで具体的にアドバイス。
神さまが教えてくださったとか^^;

ま、こういうことを相談する側も相談する側ですが^^;
それにしても、専門分野においても、
具体的に指示が出せたといいますから驚きです。

稲荷信仰とともに人助けに生きた「オダイ」

庶民の生活のために、お稲荷さんは大活躍。
そのお稲荷さんの言葉を正確に取り次ぐのが
「オダイ」としての霊能者・砂澤たまゑさん。

砂澤たまゑさんは、とにもかくにも「人助け」に生き抜いています。
報酬とか、金額は決まっていなく、相談者の懐に応じてでOK。
10円を置いていった小学生もいたとか。

神さまとの取り次ぎの役目に徹し、無私になって人助け。
 

圧巻だったのは、晩年の81才、
緑内障でほとんど目が見えなくなっていた頃の話し。

ある女子大生が、原因不明の病になり、生気が無くなり、ひきこもりになってしまったとか。
砂澤さんは、正月3日に、その女子大生と母親を連れて、
伏見稲荷の「根上り松」という神蹟まで上がっていったと。

冬の寒い季節。
天気も雪交じりの雨という悪天候。

砂澤さん、81才。
目がほとんど見えないのに、連れて上がるのは無理があったとか。
それでも上がる。
女子大生を救うために。

そうして到着したところで、ご祈祷。
女子大生のために長時間、祈り続けたと。
死霊の障りがあることがわかり、その場でそれを除霊。

そうしたところ、その女子大生は、その場で生気を取り戻したと。
母親はびっくり。
半年後には完全に回復してしまったといいます。

祈り倒す。
拝み倒す。
 

砂澤さんは、ひたすら人助けに生き抜いた様子です。
神さまとのお取り次ぎの「オダイ」として、神さまの言葉を伝える。
霊能者としての力を発揮して助ける。

どういうかたちであろうとも、困っている人を助けようとする
その志と行動力は素晴らしい。

悩み、苦しみ。
これらを解決する方法や手段は、いろいろとあります。
何も信仰だけがすべてではないでしょう。

しかし、信仰に生き抜き、無私になって、
神さまとのお取り次ぎに生き抜いた砂澤たまゑさん。

素晴らしい。
そして、美しい。

自然霊(精霊)や地神と共生する世界

この世界は、人間だけでなく、地神としての自然霊(精霊)もいらっしゃいます。
それがお稲荷さんや龍神といった地の神。
地神。

パーリ仏典には、天界の神さまのタイプも伝承されています。
人間界に住む天人を「地神」といっています。

地神は、地上の山、森、樹木、石(像)、家、祠(ほこら)などに住んでいるといいます。
また動物の姿を取る地神もいます。
お稲荷さん、龍神、蛇神は、まさに地神なのでしょう。

人間界にいるので、性格も人間に似ていらっしゃる。
義理人情に厚く、頼まれれば気前よく引き受けて、助けに走る。
よく笑い、歌い、楽しむ。
人間と関わって、人間とともに、お互いの成長を果たしたい。
徳を積み、自分を高めたいという向上心を持っている。
 

良き人間に似ています。
しかし機嫌を損ねたり、いじけてしまうときもあるとか。

毎日、お供え(食事)をしないと機嫌を損ねる。
人間だって、腹ぺこになれば機嫌が悪くなるでしょう。

また、ときに取引を仕掛けてみたり。
ちょっと威張ってみたり。
脅しをかけたり。
怒って、バチを与えたり。
いじけてしまったり。
修行をおこたると、悪神、邪霊になってしまったり。

ま、こうした言動や様子が、祟りだの、バチを与える神だのといわれ、
トラブルや誤解を招く理由でもあるのでしょうね^^;

地神は、どこか人間に似ています。
庶民的。
そんな神さま。
霊的存在。

お伊勢さんなどの神社でお祀りされている神さまとは、また違う感じです。
どこか人間臭く、庶民的で、行動的な精霊といった感じです。
目に見えない世界ですので、ちょっと怖いですけどね。

稲荷信仰は自然霊との相互依存であり生活協同?

そんな地神との関わりが、稲荷信仰のような気がします。
稲荷信仰の本質とは、人間界に住んでいる自然霊との
相互依存であり、生活協同じゃないかと思います。

人間も、自然霊も、お互いに支え合う、助け合う。
「つながり」合う。
約束やルールを守って扶助し合う。
「Win・Win」な関係。
これが信仰という形態になった一つが稲荷信仰。

わたしゃ、稲荷信仰、お稲荷さんへの見方が変わりましてね。
ええ、ちょっと変わりました。
でも、やっぱり怖いかなあ^^;

けれどもこの本は、稲荷信仰への誤解を解くためにも、世に出たのかもしれませんね。
どこか荒っぽく、人間臭いところも多く、
率直にいえば首をかしげる問題も含む稲荷信仰ですが、
本書は、精霊とともに生きる霊的歩みのしるべにもなるんじゃないかと思います。
参考ですね。

で、私は、お稲荷さんは「うーん」と思っていまいます^^;
ちょっと気が引けるといいますか、なんか抵抗感がありましょうか。
でも、砂澤たまゑさんのことを知って、ちょっと見方は変わりました。


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