先祖供養の2つの意味~先祖を敬い感謝し餓鬼となった先祖を救済

先祖供養の2つの意味~先祖を敬い感謝し餓鬼となった先祖を救済する

日本には先祖供養の習慣があります。
先祖供養とは、本来、自分の家系の方々(つまり先祖)を敬い、感謝する、
親孝行の延長にある行為だったりします。
それが先祖供養の本来の意味ですね。

また「お盆」にみられるように、
先祖の中で浮かばれていない方(餓鬼)がいるかもしれないので、
懇ろに供養することも先祖供養になります。

先祖供養とは、
・家系(先祖)を敬い感謝する行為
・餓鬼になって浮かばれていない先祖を救済する行為
この2つの意味があります。

先祖供養のルーツはパーリ仏典「ジャーヌッソーニ経」「餓鬼事経」にある

先祖供養は、実のところ日本で独自に発達した行為でもあります。
また優れた儀式です。

何故、優れているのでしょうか。
決して迷信ではないこの先祖供養。

先述の通りで、先祖の中で「餓鬼」となった生命を救済することも
先祖供養だったりします。

先祖供養のルーツは、原始仏典である増支部経典・十集第十七
「ジャーヌッソーニ経」にあります。
原始仏典に、先祖供養のルーツがあるんですね。

お釈迦さまは、亡くなった先祖で餓鬼になっていても、
供養(布施)を届けることができる場合がある、
とおっしゃっています。
しかも、餓鬼となっている先祖の有縁者はたくさんいると。

また、パーリ仏典の小部経典には「餓鬼事経(ペータヴァットゥ)」
というお経があり、ここにも先祖供養のことが述べられています。

パーリ仏典(原始仏典)にも、先祖供養に関することが
実は、ちゃんと述べられていたりします。

で、これが先祖供養の原点(ルーツ)になります。

原始仏教には先祖供養はないが意義があるとしている

ただし、原始仏教には、先祖を供養するとった法要や儀式はありません。
原始仏教は、ひたすら悟りを求める修行をしますので、
直接関係の無い行為は、伝承されなかったというのがあります。

また原始仏教でいう「供養」「布施」は、多額のお金を貢いだり
することではありません。
真心を届けたり、分相応のお供え物を差し上げることになります。

そういうことだったりしますが、餓鬼となった先祖を救済する供養は、
意味があるということですね。

先祖で餓鬼となった人を救済するのが先祖供養

ちなみに、先祖で餓鬼になると、
自分と縁のある所へ行って助けを求めることがあるようです。
多いのが、家族、親戚、子孫に頼ることでしょう。

これは人間も同じでしょう。
困ったら家族を頼るのと同じです。

先祖の中で、餓鬼となって困ってしまった方々を救済するのが
お盆やお彼岸での先祖供養になります。

もっともお盆の供養は、施餓鬼(せがき)といって、
先祖とは関係の無い、不特定多数の餓鬼さんを救済する法要もします。

ちなみに日本ではお馴染みの「盂蘭盆会(うらぼんえ)」は、
「盂蘭盆会経」に基づいています。

しかし、盂蘭盆会経は、中国で創作された偽経です。
今風に言えば、原始仏典に基づいて、パクった創作物語ということですね。

餓鬼となった先祖を救済することは意味がある

先祖供養などの法要や儀式は、実は意味があります。
といいますか、よく考えられています。
以下は、餓鬼となった先祖を救済する説明です。

餓鬼さんの住む世界を、普通が見ることができません。
実は見ることができないからこそ、いいんですね。
四六時中、見えたり、接することがあったら大変でしょう。

動物も人間と同じ次元に住んでいますが、動物は動物で
勝手に生きています。

しかしペットのように接点を設けると、近づいてきたり、
親しくなりますよね。

餓鬼さんの世界もこれに似ています。
関心を持たなければ、別々に生きています。

そもそも動物と違って、仲良くしにくいといいますか、
仲良くすると、陰気で暗くなります。

ですから、お近づきなりたくありませんし、まして友達になんかは・・・
動物と違って知性もありますし、いろんな性格の方もいますし、
ネガティブな性状になりますので、ちょっと厄介になりそうですし。
近づいたり親しくするのは、おやめになったほうが賢明かと思います。

ですが、そうかといって、放っておくのも可哀相だし。

ということで、「先祖供養」という儀式を、
日本人は考えたのではないかと思います。

日本で先祖供養が行われるようになった理由

以上の話しは何か歴史的な証拠がわるのではなく、
私の推測です。

本能的な直感もあって、先祖供養という儀式を
考えたのではないかと思います。

もちろん、敬神崇祖としての「先祖を尊崇する行為」として
儀式化されたとも思います。

ですがここに「救済」としての意味を付与させたのは、
決して迷信や錯覚からではないと思うのですね。

リアリティをともなって「感じる」「見える」存在に対して、
救済措置を取ろうとしたのではないかと思います。

そのために、安全性の高い方法として、先祖供養という
法要儀式を考案したのではないかと思います。

先祖供養は「けじめ」の儀式でもある

そもそも先祖供養は、「けじめ」のある形式でもあります。
毎日の朝晩だけ、年に数回、あるいは時々、線香や水、供物などを供えて
「供養」という「儀式」で、餓鬼さんとの接点を設けます。
実によく考えられた安全性の高い方法です。

このときだけは特別。
この儀式や法要の一時だけ、餓鬼さんのことを願う。

こうすることで、メリハリがついて、普段の生活においては、
餓鬼さん達と切り離して、安全な生活を過ごすことができます。

人間も餓鬼も同じ次元に住んでいる

人間も、餓鬼さんも、同じ空間(次元)に住んでいるといいます。
部屋のすぐそこにいたりします。
暗いところ、陰気な場所を好むとされています。

ジブリの「となりのトトロ」に出てくる「まっくろくろすけ」のように
かわいらしい生き物ととは違って、
実際はグロテスクで陰気な生命のようです。

ですが次元が違うため、接点を持つことは通常ないようです。
しかし稀に、何らかの拍子で接点が出来てしまうこともあるようです。

ネガティブ・陰気であると餓鬼と接点ができやすい

餓鬼さんと接点ができるケースとしては、
異次元を見ることができる、できやすい体質の人というのが一つあります。
いわゆる「霊媒体質」の場合です。

あと、ネガティブで陰気な人がそうです。
引き寄せの法則ではありませんが、ネガティブなことにずーっと
捕らわれていると、近づいて来るようになるそうです。
ちょっと怖いですね。

先祖供養という儀式は、餓鬼さんの世界と接点が出てくる、
特別な一時ですね。

特別な一時なので、この一時が終われば全く接点が無くなります。
つまり、餓鬼さんの世界とは切り離して、安全な生活を過ごせるというわけです。

怪しいと思われるようになってしまった先祖供養

しかし、昭和の時代からは、「先祖供養」といえば、
怪しくも危険な霊感商法と思われるようになってきています。
随分と歪められてきた感もあります。

先祖が祟っているとか、霊障となっている、
はてまた子孫のあなたの運命を悪くしている、
悪因縁を形成する霊になっているとか・・・。

某新興宗教が昭和の時代に喧伝したため、
先祖が不成仏霊となって霊障を引き起こしている
といった先祖供養が広まってしまっています。

けれども、実のところ、こうしたケースは稀になります。
全く無いとはいいませんが稀です。

こうした例外的なケースが、あたかも多いかのように
デフォルメして人々を脅し、教祖や団体に縛り付けて、
お金を集めているところが結構あったりします。

信者は金儲けの道具になっているのですが、
教団の教えを信じ込まされ、また恐怖によって縛り付けられ、
洗脳下に置かれて、ひたすら貢ぐことも出てきています。

いわゆる「霊感商法」「洗脳」です。

先祖供養を使った霊感商法も多くなったことや、
戦後の仏教寺院が檀家制度が経済基盤であったため、
お金儲けの手段にせざるを得なかったことなどから、
先祖供養自体が「怪しいこと」と思われるように
なってしまった感があります。

もともと目にも見えない世界です。
ですので、迷信である、センチメンタルな情緒的なものである、
として一刀両断されやすいものです。

日本人の繊細な感性が先祖救済を感じ取った

しかしながら本来の先祖供養という儀式は、実によく考えられた儀式です。
日本人の優れた感性の一つであると思ったりします。

近年の新興宗教に見られる「祟りとしての先祖」「不幸をもたらす先祖」は、
先祖に対して大変失礼です。
こうした感性はいただけませんし、そもそも誤りです。

遠いご先祖方の日本人の感性から作られた先祖供養。
原始仏教の精神に通じます。

日頃、日本人は素晴らしいと思っています。その素晴らしい感性は、
家系に連なる先祖の皆様に感謝し敬う気持ち(親孝行の延長)であり、
また餓鬼となった先祖・縁者を救済する行為であり、
こうした考えに基づいて先祖供養の儀式を作り上げ、
しかも多年にわたって共有し、慣習としてきた点にも見いだせます。

日本人の繊細な感性が先祖救済を感じ取ったのではないかとも思います。
このことは、欧米人には到底できない微細な感性があるからこそだと思います。

日本人が世界を救う、というのは決してオカルト世界の神話ではなく、
リアリティの面から言っても「確かにそうだ」と思えてきます。

以上の話しは、目には見えない世界のことですし、
私の考察も含まれていますので、信じる、信じないはご自由になるかと思います。

ただ、先祖供養の原点は、原始仏教にもあるということですね。

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