ヨーガといえば「ハタ・ヨガ」のイメージがあるものの本来は「瞑想」のこと

ヨガ。
あるいは、ヨーガ。
今では、健康体操として、すっかり定着していますね。

ええ、私も、エブリデイやっています。
ヨガは、アーサナだけでも、筋トレ&ストレッチの効果がありますからね。
効果は絶大。

元祖ヨーガは瞑想だった

が、しかし。
ヨーガといっても、実は、何種類もあったりもします。
一般的に知られている体操式のヨガは、ヨーガそのものではなかったりします。

そもそも、ヨーガとは、「つなぐ(yuj)」という意味だったりしますね。

で、何に「つなぐ」かといえば、「解脱」「神」に「つなぐこと」。
つまり、「悟り」への教えや方法を、ヨーガというわけですね。

で、ヨーガの元祖・オリジナルは、「瞑想」です。
瞑想することが、ヨーガの元祖です。

ヨーガの種類は増えていった

が、その後、いくつかの種類も登場します。
ざっとあげてみますと、

 ・ラージャ・ヨガ(アシュタンカ・ヨーガ、八支ヨーガ)・・・瞑想主体の王道的アプローチ
 ・カルマ・ヨガ(行為のヨガ)・・・奉仕・善行によるアプローチ
 ・バクティ・ヨガ(献身のヨガ)・・・神への祈念と献身によるアプローチ
 ・ギャナ・ヨガ(智慧のヨガ)・・・智慧で真理探索するアプローチ

です。
「瞑想」、「奉仕」、「祈り」、「思索」の4つの道。
これらは古典ヨガです。
ヴェーダンタ学派(サニヤシン)が修する
「ウパニシャッド」や、「ヨーガ・スートラ」「バガバットギータ」にある伝統的なヨーガです。

で、比較的新しいヨガもあります。
それが、

 ・ハタ・ヨガ(クンダリニ・ヨガ、生理的ヨガ)・・・アサナ、調気法、ムドラーによるアプローチ
 ・マントラ・ヨガ・・・真言を唱えて悟るアプローチ
 ・クリヤ・ヨガ・・・ヨガナンダが広めたババジによるクンダリニ・ヨガ。

です。
「ハタ・ヨガ」は、ナータ派と呼ばれ、古典ヨガのヴェーダンタ派とは対立します。

さらに20世紀の半ば以降には、
パワー・ヨガ、マタニティ・ヨガ、ヨーガ・セラピ、ホット・ヨガなどなど、
新しいものも登場しています。

本来のヨーガはハタ・ヨではなく瞑想のことだった

本当は数あるヨーガなのですが、「ヨーガ」といえば、大抵、
「アーサナ」という体操を行う「ハタ・ヨガ」の系統が思い起こされます。

が、しかし。
「本来のヨーガ」といえば、「瞑想」のことだったりします。
これが、正真正銘、「元祖ヨーガ」だったりします。
「瞑想」そのものが、ヨーガとされていたわけですね。
「ラージャ・ヨガ」は、もっとも近くなります。

時々、「ブッダもヨーガをやっていたんだって」
「本当?、それじゃあヨーガが先で、本家なんだね、ヨーガ万歳!」
なんてゆー会話を聞きますが、ここでいう「ヨーガ」とは、「瞑想」のことなんですね。
「ハタ・ヨガ」や「ラージャ・ヨガ」ではごじゃりません。

この辺りが、ごちゃごちゃになってしまって、
実は混乱して理解されてもいたります。
 

しかし、一般的に「ヨーガ」といえば、「ハタ・ヨガ」です。
「ハタ・ヨガ」は、アーサナと、プラーナーヤーマ(調気法)、ムドラー(バンダ)の3つが、
生理的に変容をうながすように出来ています。
つまりチャクラとクンダリニを動かす身体技術ですね。

この「ハタ・ヨガ」の技法のうち、アーサナが、健康体操、体操エクササイズとして、
一般的には、知られています。
ですが、難病の治療効果もあって、大変、有益だったりします。

ハタ・ヨガの悲しい歴史

しかし、歴史をさかのぼれば、ハタ・ヨガは、アウター・カーストから登場した
外道ヨガと言われています、実は。

10世紀頃に、「ゴーラクシャ・シャタカ」を残したゴーラクシャナータが、
ハタ・ヨガの始祖とされています。

が、歴史的に見れば、インドでは、訳あり、問題視、蔑視されているヨーガだったりします。
というのも、ハタ・ヨガをしていた人達(ナータ派)は、社会のお荷物であり、
訳ありな人達、盗賊、犯罪者が多かったからです。
 

で、ハタ・ヨガでは、「促進の道(プラブリッティ・マールガ)」
というアプローチを採用しています。

これは、喜(ピティ)・楽(スカ)といった高次の徳性や、
微細な肯定的精神をベースにしたアプローチです。
仏教にもあって、「七覚支」として伝承されているのが、それです。

しかし、ハタ・ヨガでは、訳ありな人達が関わっていましたので、
促進の道(プラブリッティ・マールガ)を歪めてしまっています。

馬鹿騒ぎやお祭り騒ぎをして興奮することや、ドラッグやってハイになったりすることを
促進の道(プラブリッティ・マールガ)としてしまったわけですね。

で、興奮してハイになって、トランス状態になったりして、白眼をむき出すわ、
口から泡を吹くわ、自制心を失うわ、問題行動は起こすわで、もう社会のお荷物。
 

ハタ・ヨガは、素行に問題のある人達の代物(しろもの)として、
また、インドの精神文化を歪める、マイナス要因として、
鬼子扱いされていた歴史もあります。

実際、20世紀を代表するインドのヨーギー「ヴィヴェーカーナンダ」ですら、
最初は「ハタ・ヨガだけは絶対に認めることはできない」と頑なだったといいます。
後になって、ハタ・ヨガを取り入れてはいます。

で、どんだけ問題があったの「ハタ・ヨガ」って感じです。
しかし、知られざる真実ですね。
恐るべし、ハタ・ヨガ。


 

で、もっと知られざることは、インドの鬼子「ハタ・ヨガ」のルーツは、
仏教の「密教」のタントラだということ。

密教のタントラ技術を、ゴーラクシャナータが、
ハタ・ヨガとして再編成しています。
後期密教の「秘密集会タントラ」こそ、ハタ・ヨガのルーツ。
ハタ・ヨガのルーツは密教だったわけですね。

で、この密教のうち中期密教は、日本に真言宗として伝わっています。
弘法大師空海が伝えた真言宗です。

驚くことに、インドでは鬼子となり、問題のあるハタ・ヨガが、
片や日本に伝わり、加持祈祷&現世利益の護摩行の真言宗になっています。

おお、それで真言宗は独特の雰囲気があるのか、
っていうのも、当たらずとも遠からずかもしれません。
 

しかし、そんな密教(中期密教)は、今や日本の真言宗にしか残っていません。
つまり、ハタ・ヨガの元祖家元である密教のうち、中期密教は日本にしか無いという事実。

怪しい真言宗は、今は貴重な絶滅種なんですね。
驚くべき真実。


 

で、さらにさらに。
ハタ・ヨガは、19世紀以降、インドではリニューアルを図ります。
欧米のエクササイズや医療体操、ボディビルを参考にして健康体操に変化させたんですね。
涙ぐましい努力。

ええ、実は今広まっているハタ・ヨガは、19世紀から20世紀にかけて、
インドで新しく作られた「体操ヨガ」だったりします。

デンマークの健康体操である「デンマーク体操」を、大々的に取り入れています。
で、あたかも歴史があるかのように、「ハタ・ヨガでごじゃる」と言っていたりもします。
さすがインド人。
やるな^^;
 

しかしですね、王道ヨガといわれているラージャ・ヨガ(瞑想)を行っていても、
その裏ではハタ・ヨガ的なことが起きていたりします。
ハタ・ヨガ的なものは、瞑想で生じる副産物だったりもします。

仏教が、それにフォーカスして「密教」という体系を作ったのでしょう。
で、ゴーラクシャナータが、密教をヒンドゥ教に取り入れてハタ・ヨガを作った。

が、10世紀頃にゴーラクシャナータがまとめたのは、プロトタイプの「ハタ・ヨガ」。
16世紀頃には、ハタ・ヨガの事実上の教典となる「ハタ・ヨガ・プラディーピカー」が登場。
その後、「ゲーランダ・サンヒター」「シヴァ・サンヒター」も登場し、ハタ・ヨガ三部作がそろう。

残念なことに、ならず者や盗賊、不可触民、アウターカーストに広まってしまった。
モラルを損ね社会の治安と秩序を乱す集団を生み出す。

が、19世紀から20世紀にかけて、欧米のエクササイズを取り入れて、
リニューアル&イメチェン。
これが現在知られている「ハタ・ヨガ」。

鬼子扱いされていた左道ヨーガの「ハタ・ヨガ」は、
今や体質改善して、健康増進・体質改善にも絶大な効果のある、
健康的なエクササイズにイメチェン成功しています。

で、ヨーガの歴史を見ていくと、仏教ともリンクして、仏教からも取り入れながら、
形式を整え、教理を確立していった歴史もあったりもします。

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