やさしさ・憎しみは伝播する性質がある~徳の意識の育み方

これは興味深い研究結果です。
やさしさや憎しみは伝わり広がる性質があるという研究報告です。

「やさしく」されると「やさしく」するという驚くべき結果

子どもの行動観察実験で「情けは人の為ならず」が初めて科学的に実証される。
(大阪大研究)
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52136962.html

「やさしさ」は伝染・伝播するというものです。
大阪大大学院で行った、5~6歳児の行動観察で
分かったことだといいます。

これは驚きです。

一般的に、子どもは、自己中心的になりがちなのですが、
やさしくされるとうれしくなって、他人にもやさしくなり、
それを共有したくなるというわけですね。

これは素晴らしい発見であり、気付きですね。

大阪大学の研究では、府内の5~6歳児を70人を観察対象として、
一人の子どもが「おもちゃ」を貸すとかの親切な行動を取ると、
近くにいる子ども達と仲良くなる頻度が約2倍以上となったと。

助け合いの精神が、自ずと発露したという結果です。
「やさしさ」や「親切」は伝播・伝染していくという現象であると。

反対に、憎しみや恨みの場合、「やさしさ」や「親切」と真逆ですが、
同じように伝染・伝播していくとか。

これは非常に注目に値する行動心理です。
子どもに限らず、大人にも当てはまりますね。

子どもは教えられなくても徳がわかっている

この子どもの行動を見ていますと、世界の宗教等で言われている

「己の欲せざる所人に施すことなかれ」(孔子)
「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい」(キリスト・黄金律)

を、教えられなくても体現していることが分かります。

言葉で教えなくても、本当は人間の中には、
こうした情動が内在されているのでしょうね。

大人は天然自然の感性が衰え理念・理想・欲得・損得が強くなり不自然になる

もっとも、大人が額面通りに行うと、問題がおきがちです。
アタマで考えてしまったり、理性が効き過ぎてしまって、
天然自然な感性の発動をさまたげてしまうことが多いからです。

あるいじゃ欲得や損得が絡むときですね。
嫌味になってしまいます。

理念や理性が強くなると、善意が過剰になったりして
「親切の押し売り」という現象も起きます。
ウザったい親切や愛情は、欲得や損得が絡んでいる場合もあります。

大人は、天然自然の感性が弱くなってしまい、
理念・理想・欲得・損得で動くことが出てくることも多くなるため、
不自然さが出てくるようになります。

ですから、TPOに即したり、空気を読む感性も必要になってくるのでしょう。

大切な徳の意識~子どものような純粋な心

で、こうしたTPOに則した行動ができるかどうかは、
実に、徳性、徳の意識と関わりがあります。

上記の観察のように、「やさしさ」が伝播する環境の中で育ちますと、
徳の意識がつちかわれます。

で、徳の意識に基づいた行動様式を、自然に取るようになります。

しかしながら、大人に成長していく過程で、他人から否定されたり、
意地悪されると、「やさしさ」が伝播していくメカニズムを体得しないで、
憎しみや恨みを伝播するメカニズムを身につけてしまいます。

これが不遇感や、恐れ、他人の目を気にする、自己否定感に
つながっていきます。

ですから、自分の心をよーく観察して、
成長過程、あるいは大人になってからも、
心の傷を負ったり、トラウマが出来たかどうかと、
日々、心のチェックをしていくことがおすすめですね。

できることなら、善意ある人達とふれあい、
心の傷たトラウマを解消できる環境にあると、
心の健全化と回復は、早くなると思います。

そして、「愛」と「知恵」の両方を実践し、育んでいくことが大切ですね。

で、こうした実践の中心軸は「いまここ」の実践ですね。
「いまここ」を行っていますと、心の傷やトラウマの浄化も起きて、
心が綺麗になり、宇宙的な意識に開かれ、徳の意識も
自ずとわかってくるようになりますね。

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