ネガティブな感情を解放する脱フュージョン

ネガティブな感情を解放する脱フュージョン

ネガティブな感情を解放する方法にはいくつかありますね。

最近では「ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」「脱フュージョン」に注目が集まっています。

脱フュージョンは、現代人向けに開発されたネガティブな感情や思考を解放させる方法です。
⇒ACTの脱フュージョン5つのエクササイズ

ネガティブな感情を解放する古典的な方法

ちなみに昔からあるネガティブな感情を解放する古典的な方法

  • 戒律・・・行動規範。言葉と行動を改める。
  • 善行・・・よい行いをして言動・行動を改める。
  • ポジティブ・シンキング・・・受け止め方・考え方をポジティブにする。
といったのがあります。

こうした方法は
・宗教
・倫理・道徳
の世界で多用されていた方法です。

仏教では2500年前から「戒律」があります。大変古い歴史もあります。

古典的な方法は現代では危険になる場合もある

こうした方法は、ネガティブな感情や思考を改めるのに一定の効果があります。

ただし複雑な現代においては、抑圧や強制になってしまう場合もあります。

現代社会は、昔のように大雑把ではありません。また心に傷を負い、デリケートになっている人も多くなっています。昔ながらの大雑把なやり方は、むしろ心を歪めてしまう心配もあります。

昔ながらの古典的な方法は、現代ではうまく作用しない場合もあります。2500年前とか、大雑把な時代には特に問題はないでしょう。

けれども複雑で繊細化している現代では、ややもすると乱暴になる場合もあります。危険になる場合すらあります。

認知行動療法

ネガティブな感情や思考を改めるには、以上のように古典的な方法があります。

で、これらの古典的な方法を心理学に取り入れて、「認知行動療法」としています。

認知行動療法はおおむね役に立つと思っています。

認知行動療法:第一世代~第三世代まである

認知行動療法は第一世代から第三世代までありますが、ザックリまとめてみますと、

  • 第一世代・・・行動療法
    行動を改める。
    ・宗教における戒律、善行が相当。
  • 第二世代・・・認知行動療法
    ・認知と行動を改める。
    ・ポジティブシンキングを加える。受け止め方、考え方を変える。
  • 第三世代・・・認知行動療法(いきなり変えようとしない)
    ・今に集中する。気づく(観察)。
    ・マインドフルネス、ACT。
このようになります。
第一世代と第二世代は、ストレートに「改める」という方法ですね。

ちなみに無意識(潜在意識)も改めようとする「スキーマ療法」というのもあります。

ただしスキーマ療法も、認知行動療法にありがちな「観念的な方法」になってしまいがちで、非言語の領域である無意識に、果たしてどこまで作用し効果が得られるのかは微妙なところがあると思います。

第三世代ACTの脱フュージョンは新しいやり方

ところが第三世代になると「改める」というやり方にひねりが加わります。
思考や感情と距離を置いて受容してから、価値ある行動に移していくといった方法になります。

「脱フュージョン」がキモになります。

これをスムースにするのがマインドフルネスによる「気づきのスペース」ということですね。

で、この「気づきのスペース」こそ、硬直した心を溶解させる源泉です。ここに開かれるのが気づきの瞑想とかマインドフルネスです。

ACTの場合は、思考や観念によるテクニックである「脱フュージョン」を補助輪のように使って、心の溶解を手助けします。
ひねりが効いています。

現実の悩みや問題に対処したり、ストレスを低減するにあたっては、気づきの瞑想・いまここだけでなく、こうした行動療法のテクニックを併用することは実際的だと思います。

フュージョンとは?

ちなみにフュージョンとは、ネガティブな思考・感情と同一化している様をいいます。巻き込まれてしまっている状態ですね。

で、「脱フュージョン」は、こうしたネガティブな思考・感情と自分を切り離して、否定的な感情に巻き込まれない様をいいます。

ACTの脱フュージョンは思考から距離を置かせるテクニック

行動規範(戒律)、善行、ポジティブ・シンキングは昔からあります。これらは馴染みもあります。

ですがマインドフルネスの発展系でもあるACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の「脱フュージョン」テクニックは新しいやり方になります。で、有益です。

脱フュージョンは思考の世界にテクニックではあるが・・・

もっとも脱フュージョンといっても、

・思考で思考を操作する
・観念で観念をコントロールする

といったテクニックではあります。

思いの世界、観念の世界から脱却はできていません。

けれども思考や観念を上手に使って、思考や観念から距離を置かせようとしています。こうした試みはACTが初めてです。

脱フュージョンは悟りの技法を使ったやり方

脱フュージョンは「悟りの技法」を活かしたやり方です。「気づきのスペース」ですね。

脱フュージョンでは「気づきのスペース」を活用しているところがミソです。

第一世代、第二世代の方法とは顕著に異なる点です。

といいますか「気づきのスペース」こそが「空」に連なるもので、ここに人が変容する秘密があることに、心理学がうっすらと気づいたのではないかとも思っています。

脱フュージョンの問題点

脱フュージョンは新しい心理テクニックです。しかし欠点もあります。

先ほども書いたことと重複するところもありますが、

  • 思考や観念の世界から脱却できていない。
  • 思考や観念から距離を置くように感じさせる思考・観念の操作テクニック。
  • シチュエーションによっては100%効果があるとは言えない。
  • 表面的なレベルの操作になることも多くなりがち。
  • 無意識の領域までには対応できない場合もある。
といった具合です。
従来の認知行動療法と同じ課題や壁にぶつかる可能性もあります。

しかしながら「気づきのスペース」の効果を踏まえ、ここを活用している点に新しさと可能性を見いだします。
⇒ACTの脱フュージョン5つのエクササイズ

脱フュージョンは現代人向けのネガティブ感情を解放するテクニック

脱フュージョンは行動規範(戒律)、善行、ポジティブ・シンキングという古典的な方法に加えることができる新しいテクニックになると思います。

複雑で多様化する現代向けに開発された心理テクニックであるとも思います。

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