中山七里は40代後半の遅咲きデビューの作家

中山七里は40代後半の遅咲きデビューの作家

「さよならドビュッシー」の原作者「中山七里(なかやましちり)」さん。

なんとなく気になりましたので、調べてみますと、なんと、48歳でデビューという、遅咲きの方ではありませんか! wikiにもあります。⇒中山七里

1961年、岐阜県の呉服屋の家に生まれる。
幼稚園に入る前からどこでも常に本を読むような子供で、保育園の保母さんにも「本を書く人になりたい」と言っていた。

1970年代半ば、映画『犬神家の一族』を観て横溝正史と江戸川乱歩にはまり、江戸川乱歩賞を知って受賞作を読みつくす。

そして自分でも書いてみようかと思い立ち、高校時代から創作を始める。
大学時代、「謝罪」というタイトルで東大の安田講堂の落城の話を書き、江戸川乱歩賞に応募したところ予選を通過した。その後も小説新人賞などに投稿していたが、就職とともに創作から一旦離れる。

2006年、大阪単身赴任時にファンだった島田荘司の『UFO大通り』のサイン会に行って初めて生で小説家を見て、「今小説を書かなければ、もう一生書かないに違いない」と思い立ち、難波の電気屋でノートパソコンを買い求め、20年ぶりに執筆を開始した。

この時に書いたのが『魔女は甦る』であり、このミステリーがすごい!大賞に応募したところ、最終審査まで残るも落選。しかし2009年、『さよならドビュッシー』で第8回このミステリーがすごい!大賞を受賞し、48歳での小説家デビューとなった。

受賞作のほかに「災厄の季節」(のちに『連続殺人鬼カエル男』として刊行)も同賞初のダブルノミネートし、話題となった。

ペンネームは本人の故郷にも程近い岐阜県下呂市にある渓谷・中山七里(飛騨木曽川国定公園)にちなんでつけられた。

なんとも泣けてくる経歴ですなあ。
中山七里さん。

名前も故郷の飛騨木曽川の「中山七里」から採用していると。自然をも愛する方なのかもしれません。「粋」を感じさせますなあ。

中山七里さんがハマった映画「犬神家の一族」は大野雄二さんの音楽が秀逸

それにしても「映画『犬神家の一族』を観て横溝正史と江戸川乱歩にはまり」というのは、よくわかります。

私もこの映画は好きです。

しかも、この映画がきっかけで、ミステリー小説にハマったこともあるくらいです。中山七里さんと、なんか似ている^^;

「犬神家の一族」は傑作映画です。
ええ、音楽もよかった。
いや、音楽がよく、この音楽で作品が引き立ったと思いますね。音楽は大野雄二。

どこか切なく、悲しみを帯ながらも叙情性が強く、鮮やかで美しい旋律が印象的な名曲です。

「大野マジック」とでもいうべき、フルートが奏でる旋律とトリル。そして豊饒なストリングスのアンサンブルが印象的です。聞く者を切なくも耽美的な感動に誘います。

大野雄二さんは、昭和50年代、テレビや映画で音楽を手がけています。

有名なのはルパン三世の「カリオストロの城」での音楽。大野節が炸裂しています。

この「炎のたからもの」は、歌が入っています。この歌はちょっとイマイチに感じるため、本当はインスト版がいいんですけどね。

中山七里さんは音楽好き?

中山七里さんの作品タイトルを見ていると、どうも音楽好きのようです。

作品名のほとんどが「ピアノ曲」「音楽」ですので。ざっと上げてみますと、

さよならドビュッシー

さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)

おやすみラフマニノフ

いつまでもショパン

追憶の夜想曲

贖罪の奏鳴曲

ご覧の通りです。
こんなに音楽関係、しかもピアノ曲を題材にしたミステリー小説を書いていたんですね。

いやあ、調べるまでは知りませんでしたなあ。まさかこんなに多くの音楽関連のミステリーを手がけていたとは。

「のだめカンタービレ」とゆードラマがあったことは知っていましたが、中山七里さんのことは、華麗にスルーをしていました。

中山七里さんは印象派が好きなのでは?

中山七里さんは、映画「犬神家の一族」にハマったといいますいので、おそらく大野雄二さんの音楽にも惚れ込んだと思いますね。

とゆーか「犬神家の一族」の映画以前に、大野雄二さんの音楽に惹かれたのではないかと。そんなことを思ったりもします。

というのも大野雄二さんが好みなら、ドビュッシーが好みになるのもうなずけるからです。
どちらも印象派。
受賞作&デビュー作も「さよならドビュッシー」ですし。

印象派が好きな方は、物事を映像・ビジュアルで脳内に描く傾向もあります。

ですので、中山七里さんの創作も、おそらく、ビジュアライズするやり方であろうと。映像が先にあって、それを言語化・文章化するやり方であろうと。そう推理します。

で、中山七里さんのことを調べていきますと、インタビュー記事に「映画を想定して作品を作った」とあるではありませんか。

中山七里さん『映画を作るつもりで、この本を書きました』
https://ebookstore.sony.jp/stc/article/campaign/434/

ああ、やっぱり。
脳内に映像を描くタイプなのでしょう。

うーん、なんだか親近感をおぼえます。それと「48歳でデビュー」というのがいいです。いや、ホント。

2006年の45歳のときに島田荘司に会って、「今、小説を書かなければ!」との思いに駆り立てられて、ノートパソコンを買って、そうして執筆活動。

で、受賞と。
受賞作が「さよならドビュッシー」。

なんかいいですなあ。

幼少期おける衝動や願望はその人の一生の指針となる

人は、幼少の頃に、この現世の生涯において、自分がどの方向に行くのかを漠然と感じています。言語化できない状態なのですが、漠然と感じています。

しかし社会生活に馴染み始めると、様々なルールや社会常識、価値観の中に入り込むことで、「自分がやりたいこと」がわからなくなってしまうことがあります。

ですが、心の奥にはその衝動を宿しています。たとえ抑え込んだとしても。

中山七里さんは、45歳で、その衝動と向き合い、挑戦。家庭を持ち、奥さんと二人の娘を持つ父親。

それでも執筆活動の再開です。幼少期からの「本を書く人になりたい」という衝動に駆られて。そうして衝動を形にしています。

素晴らしいですなあ。
人生のターニングポイントを感じて、怖れず、ひるまず、果敢に挑戦。生き方として、いいですなあ。共感共鳴します。

それにしても、幼少期おける衝動や願望は、その人の一生を形作る。たとえ、それが世に認められるものでなくても、理解されにくいものであっても、その人の指向性は、幼少期において表れています。

中山七里さんのエピソードを知って、改めて、そう思います。そして、幼少期の衝動は、誰もが形にしたほうがいいと思います。

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