MMTによる日本復興計画~財政金融政策・市場環境政策の処方箋【藤井聡】

MMTによる日本復興計画~財政金融政策・市場環境政策の処方箋

MMT(現代貨幣理論)は、経済と財政とお金の事実を言っているだけですね。
ですので中学生にも理解することができます。
誰でも理解ができます。
なぜなら事実だからです。
難しい数式や理論はありません。
事実だからです。

で、MMTによる日本復興計画藤井聡さんが言っています。
それは「財政金融政策」「市場環境政策」に集約されています。

インテリたちのMMT(現代貨幣理論)批判はすべて大間違いだ!
|藤井聡(京都大学大学院教授)【MMT国際シンポジウム講演】

MMTは財政政策だけを言っているものではないこともわかります。
ポイントとなる項目は以下の通りです。

MMTによる財政金融政策
・所得税対策
・法人税対策
・消費税対策
・財政政策
・JPG(雇用保障プログラム)対策
・金融緩和対策

MMTによる市場環境政策
・構造政策
・貿易政策
・移民政策
・悪政インフレ対策

MMTによる日本の診断と対策
・現在の日本の診断
・デフレの原因
・日本経済のための応急処置
・日本経済のための長期治療・体質改善
・日本経済への寸評

以下、ポイントを押さえて藤井聡さんのお話しを
まとめてみます。

MMTを一言でいえば

MMTを一言でいうならば、
・政府は自国通貨建の借金で破綻することは決して無い。
・財政規律を「緊縮財政」から「インフレ率」に変えること。

政府が自国通貨建の借金をするなら破綻することは決して無い。
破綻そもののが考えられない。
これがMMTの中核。

MMTは、ランダル・レイ、ステァニー・ケルトンらが提唱。
ミンスキー、ラーナー、ケインズといったケインズ派の流れにある。

現在はまだ少数派。
MMTは巨人らの業績の上に成り立っている。
MMTは経済・財政の事実を言っている。

MMTへの批判

しかしMMTへの批判がある。
主流派経済学からは「自国通貨建の借金なら破綻しない」
という当たり前の事実が「異端」「トンデモ」と思われている。

シラーの批判

シラーは
「MMTはどこまでも財政赤字を無限に続けられる」
と批判。

⇒インフレ率が上限
財政規律を「緊縮財政」から「インフレ率」に変えること。
今の道徳規律が悪いので変える必要がある。

パウエルFRB議長の批判

パウエルFRB議長は
「赤字は問題にならないというのは全く誤っている」
と批判。

⇒財政赤字は家計の発想。
複式簿記で考えれば政府の赤字の反対には国民の純資産がある。
つまり政府が借金をすればするほど、民間の資産が増える。

クルーグルマン教授の批判

クルーグルマン教授は、
「ある時点において、債務の増加を食い止めるために
充分大きなプライマリー黒字化の達成が強いられる」
と批判。

⇒プライマリー黒字化という発想がナンセンス。
財政規律を言うならば「インフレ率」が妥当。

MMT批判は誤解に基づくもの

このようにMMTは「財政赤字は問題無しと言っている」のがおかしいとか、
不道徳な理論として批判している。

シラー、パウエル、クルーグマンといった
主流派経済学者から批判を受けている。

MMTに対する批判はいくつかある。
その一覧はこちらに掲載

しかしこれらは単なる誤解。
批判は見当違い。

財務省も認めているMMT

ちなみに財務省はHPで、MMTのキモを述べている。
・政府は自国通貨建の借金で破綻することは決して無い。
このことを財務省は主張している。

財務省は、日本が財政破綻しないことを知っている。
財務省は自国通貨建て国債は破綻しないことをHPで明言している。
⇒財務省HP

財務省は自国通貨建て国債は破綻しない理由を3つ挙げて説明している。
で、この3つこそMMTのキモ。

事実1.日本政府のデフォルトはあり得ない

事実1.政府にとっての「最期の貸し手」である日銀が存在する以上、
日本政府のデフォルトはあり得ない。

事実2.貨幣は信用創造で創出される

事実2.貨幣は信用創造で創出される。
だから政府が貨幣を必要とするときは、
どこか他から「調達」するのではなく「創出」すればよい。

これが信用貨幣論。
万年筆マネー。
OMF。

事実3.貨幣は貸借関係の記録に過ぎない

事実3.貨幣は信用創造で創出される理由は、
なぜなら貨幣とは、貸借関係の記録に過ぎないから。
貨幣は借用証書の一種。

だから国債発行は、むしろ貨幣を創出していることになる。
スペンディング・ファーストもそう。

プライマリーバランス黒字化はナンセンス

財務省は「政府支出は財政破綻を避けるために税収内に収めること」
といったプライマリーバランス黒字化を言っている。
毎年の財政赤字は、この程度の基準以下にすべきということを言っている。

しかし財務省のHPがら、プライマリーバランス黒字化目標を
基準にしてはならないという結論を導くことができる。

破綻が考えられないので、破綻回避の基準を設けること自体がナンセンス。
合理性や正当性がない。
プライマリーバランス黒字の基準を設けること自体がピントがズレている。

⇒プライマリーバランス黒字化とは?何が問題なのか?

MMTが明らかにした事実

MMTが明らかにした事実がいくつかあります。
それは

  • 政府の徴税権が貨幣の価値の源泉
  • 国家通貨が全ての貨幣の源泉
  • MMTの政策思想
  • 貨幣循環理論
  • 新規国債の発行と金利
です。
以下にご説明します。

政府の徴税権が貨幣の価値の源泉

まず「政府の徴税権が貨幣の価値の源泉」という事実。

その国に住んでいるだけで、全ての国民は、
国家に大きな借り(恩義)がある状態に置かれている。

その借り(恩義)を返すために、国家が貨幣を国民に配り、
それで納税させるという仕組みを作り上げた。

だから日本政府が自分で配っている円での破綻はあり得ない。

国家通貨が全ての貨幣の源泉

そうして国家通貨を交換ができるから、
銀行預金、電子マネーなどに価値が宿ってる。

つまり国家が作る国家通貨が全ての貨幣の源泉。
それが国債
だから日本政府が自分で配っているお金での破綻はあり得ない。

MMTの政策思想

MMTの政策思想としては「国民の幸福(経世済民)」。
国民の幸福を実現する際のパラメーターは次の4つ。

・失業率・・・雇用保障プログラム(JGP)・・・完全雇用と最低賃金を保障。
・賃金・・・雇用保障プログラム(JGP)・・・完全雇用と最低賃金を保障。
・金利・・政策変数。コントロールできる。インフレ率に依存する。
・インフレ率・・・政策変数。コントロールできる。需要と供給に依存する。

一番注意しないといけないのはインフレ率。
だから財政規律を「緊縮財政」から「インフレ率」に変えることが大切。

文化論もMMTと親和性が高い。
大事なのはインフレ率。
これが新しい財政規律。

貨幣循環理論

貨幣循環理論。
誰かの赤字は、誰かの黒字。
政府の財政赤字は、民間への貨幣供給を意味している。
デフレのときには財政拡大が必要。

経済は貨幣が循環するもの。
貨幣循環量。
・多いとインフレ。
・少ないとデフレ。貧乏、消費も少ない、

インフレ率2~4%になるように貨幣循環量を調整する。
これが現実的な財政政策論。

だから政府支出は、
・デフレ期には拡大し
・インフレ期には縮小する

充分な政府支出の元、
完全雇用、最低賃金の実質的確保を目指す(JGP)

新規国債の発行と金利

新規国債の発行と金利。
主流派経済学では、国債を発行すると
国債が暴落(国債金利が高騰する)と言っている。

これは「お金はプール」として考えているから出てくる発想。
プールからお金を取っていくので、お金が枯渇する。
だから少なくなったお金の争奪戦が起きて金利が上昇する。

しかし国債を発行しても金利は高騰しない。
むしろ下げる。

なぜなら国債を発行することでお金を生み出すから。
お金が多くなるので、むしろ金利は下がる。

金利は、インフレ/経済成長によって
資金需要が拡大してはじめて上がる。

 

MMTによる財政金融政策

MMTでのインフレ対策とデフレ対策として、
「財政金融政策」には次の項目があります。

・所得税対策
・法人税対策
・消費税対策
・財政政策
・JPG(雇用保障プログラム)対策
・金融緩和対策

所得税対策

所得税対策としては、所得税の累進制の強化が基本。
・デフレ対策(下限規律)・・・減税
・インフレ対策(上限規律)・・・増税

法人税対策

法人税対策も所得税の累進制の強化が基本。
・デフレ対策(下限規律)・・・減税
・インフレ対策(上限規律)・・・増税

消費税対策

消費税対策は原則行わない。
・デフレ時・・・なし
・インフレ時・・・必要ならば設ける

消費税は罰金。
そもそも税金本来の概念とは違う。
罰金のような消費税は原則不要。

財政政策

財政政策では、長期的な投資計画を立てる。
・デフレ対策(下限規律)・・・拡大
・インフレ対策(上限規律)・・・縮小

JPG(雇用保障プログラム)対策

JPG(雇用保障プログラム)対策では、
・デフレ対策(下限規律)・・・拡大
・インフレ対策(上限規律)・・・縮小

金融緩和対策

金融緩和対策は、
・デフレ対策(下限規律)・・・緩和
・インフレ対策(上限規律)・・・引き締め

MMTによる市場環境政策

MMTでのインフレ対策とデフレ対策として、
「市場環境政策」には次の項目があります。

・構造政策
・貿易政策
・移民政策
・悪政インフレ対策

構造政策

構造政策としては、
・デフレ対策(下限規律)・・・規制強化
・インフレ対策(上限規律)・・・規制緩和

貿易政策

貿易政策としては、
・デフレ対策(下限規律)・・・保護貿易の促進
・インフレ対策(上限規律)・・・自由貿易の促進

移民政策

移民政策としては、
・デフレ対策(下限規律)・・・縮小
・インフレ対策(上限規律)・・・拡大

悪政インフレ対策

悪政インフレ対策としては、
エネルギー・物流コストの引き下げ

MMTによる日本の診断と対策

MMTで現在の日本を診断をしてみましょう。

現在の日本の診断

現在の日本の診断としては、コアコアCPI(インフレ率)で見ると、
・90年代後半からインフレ率が低い。
・90年代後半からデフレ。
・マネー循環が低迷。
・先進国の中で日本は最も経済成長率が低い「最下位の国」。

いわゆるデフレとなっている。
これが継続している。

デフレとは貧しいこと。
日本は貧困国。
転落国家。

デフレの原因

デフレの原因は何かといえば、
・消費増税が最大の原因。
・新規国債発行量が少ない。

日本経済のための応急処置

日本経済を復活させるための応急処置しては、
・消費税の凍結
・インフレ2%を目標にして、国債発行による財政支出を行う。
・10~15兆円の補正予算を2~3年続ける。

日本経済のための長期治療・体質改善

日本経済を復興させるのための長期治療・体質改善は、
・投資についての長期計画の策定
・賃上げのための各種対策(補助金も活用)
・法人税、所得税の強化
・移民自由化、貿易自由化、民営化の見直し。

日本経済への寸評

日本は財政破綻や金利高騰を恐れるあまりに、デフレを放置し過ぎた。
そのせいで
・貧困と格差が拡大
・国力が衰退
・財政が悪化
このようになった。

そんな中、MMTは、財政破綻や金利高騰が単なる杞憂であることを
理論的かつ実証的に明らかにした。

だから今こそインフレ率2%をの安定的実現に向けて
積極財政を展開しなければならない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です