国債は究極の貨幣~国債は政治家の判断で発行できる貨幣【三橋貴明】

国債は究極の貨幣

国債の発行の本当の話しは、経済評論家の三橋貴明さんの解説がわかりやすいですね。また正確です。

で、国債も貨幣であるといいます。その理由は、

  • 価値単位が明確(日本の場合は「円」)
  • 譲渡性がある(国債は売買されている)
  • 債務と債権の記録。政府の債務であって、保有者の債権。
  • 担保がある。金融資産ではないが担保はある。

国債はこれらの貨幣の条件を満たしているからだといいます。だから国債は貨幣。全ての貨幣の条件を満たしているといいます。

しかも国債は政治家の判断で発行できる貨幣であるといいます。究極の貨幣。

そもそも国債は、政治家の決断で発行ができます。何ら担保(金融資産)は要りません。

小切手、銀行預金、現金紙幣(日銀当座預金)という貨幣の発行の際には、担保(金融資産)が必要です(帳簿上では片方に計上されます)。

けれども国債は、政治家の判断で発行できる「究極の貨幣」。これが真実。

以下、動画の要点をまとめてみます。

国債は貨幣ではないという反論

しかし「国債は貨幣ではない」と反論する人がいる。その代表的な反論は次の3つ。

政府の借金が貨幣というのはおかしい

国債は貨幣ではない。なぜなら国債は政府の借金になっている。借金が貨幣というのはおかしいのでは?

それはその反論こそがおかしい。そんなことを言ったら日銀は、日銀当座預金(現金紙幣)が借金(貸方)になっている。銀行は、銀行預金が借金(貸方)になっている。

日銀も銀行も、借金(貸方)として計上されています。それでも現金紙幣も銀行預金も貨幣。

国債が「政府の借金なので貨幣ではない」というのはおかしい。政府の借金であっても、貨幣というのはおかしくない。

金利を払う貨幣はおかしい

国債は金利を払わないといけない。貨幣は金利を払わない。金利を払わないといけない貨幣なんかあるの?おかしいではないか。

その反論もおかしい。市中銀行が発行している銀行預金は金利が付く。定期預金にも金利がつく。

国債に金利が付いたっておかしくない。貨幣に金利が付くのは別におかしなことではない。

償還する貨幣はおかしい

国債は償還しないといけないじゃん?
そもそも償還する貨幣なんてあるの?
おかしい。
国債は貨幣よするには無理がある。

しかしその反論もおかしい。
定期預金がある。
定期預金は貨幣(銀行が生み出す貨幣)。

で、定期預金は満期になれば支払う(償還)する。
償還する貨幣はある。
国債も償還する。

国債は政治家の判断で発行できる究極の貨幣

結局、国債は政治家の判断で発行できる究極の貨幣ということですね。国債は、担保としての金融資産が無くても発行できます。

だから政治家の判断だけで発行ができる。で、これが他の貨幣(小切手、銀行預金、現金紙幣[日銀当座預金])と異なる点。

国債発行の担保は国の供給能力(生産能力)

国債を発行する際には、金融資産としての担保は要りません。けれども「国の供給能力」という担保が要ります。「モノ・サービスの生産能力」です。これが国債発行の担保です。

国債を発行するときは、金融資産としての担保はありません。論理的には無限に発行できます。けれども実際は発行には限度があるということですね。

国債を発行すれば、国内の総需要を拡大します。けれども総需要が、国内の供給能力を上回るとインフレになってしまいます。物価の高騰です。これはマズい。

だから政府は、国内の供給能力が許す限り新規国債を発行できる。このことは「国債の担保とは、国内の供給能力」という言い方になります。つまりモノ・サービスを供給できる生産能力。これが国債発行の担保であり、限度になります。

貨幣のまとめ

国債は、政治家の決断で発行のできる金融資産の担保不要の究極の貨幣ということですね。

これを踏まえて貨幣の発行についてまとめてみましょう。

個人は、銀行預金といった借用書が持ち込まれると、小切手という貨幣を発行できる。

銀行は、貸付金(貸出金)といった借用書が持ち込まれると、銀行預金という貨幣を発行する。

日銀は、国債といった借用書が持ち込まれると、日銀当座預金(現金紙幣)という貨幣を発行する。

政府は、借用書が無くても、国債を発行できる。政治家の判断だけで国債を発行ができる。決めるだけで発行できる究極の貨幣が国債。国債発行の際の担保は、金融資産としては無い。

コロナ経済対策には国債の発行

コロナ禍の今こそ、国債を発行して、企業の倒産、失業、所得の減少といった企業への補償、個人補償を行い、景気が失速して恐慌にならないようにあらん限りの補償を行うべきでしょう。

またコロナ感染対策費、ワクチン・治療薬開発費などの予算もふんだんに用意して、コロナ禍という国難を乗り切る必要がありますね。

コロナをきっかけに正しい経済政策、正しい財政政策が、誰の目にも明らかになりました。今こそ、正しい政策ですね。

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